「なぜかぼーっとしてしまう」「集中力が続かない」という仕事のパフォーマンスの低下は、身体に残った疲れが原因です。
疲れた状態では脳を働かせるクリエイティブな仕事が出来ません。
トップアスリートのトレーナーを務める木村氏と田邊氏によると、凝り固まって疲れた体は歩くことで改善できるといいます。
つまり、歩くことでクリエイティブになれるという事です。
目次
1.歩くことでクリエイティブ思考はアップする
脳を働かせたいのであればウォーキングをしなさいという研究結果があります。
2014年4月に米国心理学会紙に掲載された論文であり、発表したのはカリフォルニア州サンタクララ大学のマリリィ・オプァツォ氏です。
発表の内容は
1.屋内のランニングマシーンでウォーキング
2.屋外でウォーキング
3.屋内で椅子に座る
4.屋外で車椅子で移動する
という4種類の動作をしながらクリエイティブな能力を必要とする作業をするという実験です。
結果は2.屋外でウォーキングしている時がもっともクリエイティブな思考が出来ました。
一番悪かった3.屋内に座っている時で、1.8倍も差があったそうです。
ちなみに、1.ランニングマシーンと4.車椅子を比べてみてもランニングマシーンの方が成績が良かったことから「動く」という事が大事だと言えます。
動くと脳のパフォーマンスが向上する、ということが証明されました。
2.30分歩けばストレス解消にもなる
実験はあくまでも歩きながら作業するということなので、歩きながらアイデアを出したり、歩きながら勉強すると効率が上がるというものです。
確かにふとアイデアが思いつくのは机にかじりついている時より、気晴らしに散歩の途中だったり、通勤中だったり思いがけない瞬間であることが多いのも納得です。
では、なぜ歩きながら考えるとよいアイデアが浮かぶのでしょうか。
それは脳に送られる酸素の量にあります。
研究によると、歩いている時は脳への血流量が増え、その結果、平常時より3割から5割増の酸素量が送り込まれます。
それにより脳は活性化されているのです。
この歩いている時の血流量のアップは、下半身に仕掛けがあります。
人間の筋肉の3分の2は腰から下の下半身に集中しています。
ウォーキングすると筋肉がポンプの役割を果たし、重力に逆らって下から上に血流を促進していきます。
特にふくらはぎのポンプ能力は高く第二の心臓と呼ばれるほどです。
その血流のアップが脳内の老廃物を除去してくれて、結果ストレス解消につながるのです。
また、30分のウォーキングは脳内から幸せホルモンといわれるドーパミンやβエンドルフィンが分泌されます。
この幸せホルモンの作用が30分のウォーキングで3~5時間も続くため、気持ちが向上しハッピー効果が生まれるのです。
そしてセロトニンには幸福感をもたらす作用のほかに、リラックス効果も高く、興奮しすぎた脳を抑制してくれる効果があります。
セロトニンが不足するとうつ病のリスクが上がると言われるほどです。
一日の疲れやストレス、もやもやする気持ちをウォーキングですっきりさせましょう。
3.まとめ
幸せホルモンはストレスから脳を守ってくれる作用もあります。
なので、ストレスをうけた夜にウォーキングするのもいいし、朝にウォーキングしてストレスから守る体勢を作るのもいいでしょう。
ダイエットの効果も得たいという方は食事の前にウォーキングすることで脂肪の燃焼がすすみます。
その際、運動をすると食欲が増すので、食事の量は増えないように制限しましょう。
身体への負担も少ないウォーキングですが、身体に多大な効果をもたらしてくれます。
仕事の効率やストレス発散まで、ウォーキングを習慣にするといいかもしれません。