「朝、なかなか起き上がれない」、「日中に眠気を感じる」
更年期障害の方に度々みられる症状です。
他にもイライラしたり身体が火照ったりします。
これも全部自律神経の乱れから起きていることなんです。
目次
1.更年期障害とは
一般的には50歳前後の女性に多い症状です。
女性は平均して50歳前後で閉経をむかえ卵胞の減少や卵巣機能の低下が起こります。
卵巣機能の低下が起こると女性ホルモンであるエストロゲンが減少し、このホルモンバランスの乱れが自律神経の乱れを引き起こしていたんです。
自律神経とは交感神経(活動神経)と副交感神経(休息神経)で出来ています。
この2つを使い分けて、人間の活動や状況に応じて心拍数や体温調整などをしています。
活動中は交感神経が優位になり体温を上げ心拍数を上げ活動できる状態にします。
休息中は副交感神経を優位にさせ体温を下げ心拍数をさげて睡眠へ導入していきます。
こうして交感神経と副交感神経のバランスを取りながら1日のリズムが作られているんです。
しかしホルモンバランスの崩れから自律神経が乱れるのが更年期障害です。
副交感神経が優位になると休息状態が続きます。
そうなると朝目覚めが悪くなったり日中に眠気がきたりします。
反対に交感神経が優位になると興奮状態が続くことになります。
交感神経優位になるとイライラしたり身体が火照るようになります。
なので、更年期障害の症状を解消するには自律神経のバランスを整えることが重要です。
そのための6つの方法を紹介していきます。
2.更年期障害の眠気を解消する6つの方法
2-1仮眠をとる
症状をそのまま受け入れて眠くなったら少し仮眠をとりましょう。
そうすれば副交感神経優位が少し緩和されて自律神経のバランスを取り戻すことが出来ます。
しかし、30分以上の仮眠は夜の睡眠の妨げになってしまうのでやめましょう。
少ない時間でも頭と身体はすっきりするはずです。
2-2軽い運動
副交感神経優位の状態であれば日中に軽いランニングやトレーニングをして交感神経を興奮させておきましょう。
自律神経のバランスが整うのとともに夜に向けて副交感神経優位に導くことができ適切な時間に睡眠を取ることが出来ます。
逆に交感神経優位の状態であれば夕方以降ヨガやストレッチで副交感神経を高め睡眠への導入にしましょう。
筋肉を動かすことはホルモンの産生を促し代謝をあげるので睡眠へ導きやすく生活のリズムが整います。
2-3体内時計を整える
現代は眠らない街も多く体内時計が狂いがちです。
今が朝なのか、昼なのか、はたまた夜なのかしっかり身体に知らせる必要があります。
そうすれば体内時計の誤差を埋めることができ生活リズムを整えることが出来ます。
代表されるところでいけば朝に日の光を浴びることです。
目からの情報により今が朝だという事を認識させ誤差を埋めていきます。
生活リズムが整えば夜にしっかり副交感神経が優位になるようになります。
2-4メラトニンの生成を促す
メラトニンとは睡眠へ促してくれるホルモンです。
バナナ、乳製品、大豆、魚、牛レバーでは必須アミノ酸を摂ることが出来ます。
必須アミノ酸に含まれるトリプトファンにはセロトニンを生成する作用があり、このセロトニンがメラトニンを生成するのに大きく関係しているんです。
朝にトリプトファンを取ることで夜にメラトニンが分泌する流れが出来、質のいい睡眠へと導いてくれます。
2-5入浴は1時間以上前にすませる
入浴により上がった体温が下がっていく過程で副交感神経が優位になっていきます。
体温が下がりきらないまま睡眠に入ってしまうと交感神経がまだ優位になってしまっており寝つきが悪くなります。
入浴後は刺激を控えしっかり体温が下がるまでの時間をゆったり過ごし睡眠に備えましょう。
2-6寝具を見直す
快適な睡眠には快適な寝具が必要です。
更年期障害で見られるホットフラッシュでは身体が火照り汗をかきやすくなります。
通気性に優れたパジャマや寝具の検討も大事です。
3.まとめ
以上のように更年期障害の対処法は自律神経の乱れを解消することです。
それでも症状が治まらない、もしくは日々忙しすぎて自律神経を整えることに時間を割けないという方は漢方を試してみて下さい。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
などが更年期障害に代表される漢方です。
また更年期障害の症状は橋本病やうつ病とも似ています。
改善が見込まれないときは医療機関への受診をしましょう。