整骨院に来られる肩こり患者さんは肩甲骨周りや背中の筋肉が凝り固まっていることが多いです。
そんな筋肉の凝り固まった患者さんに「湯船に入っていますか?」と聞くと、シャワーだけで済ませている人が9割はいます。
「忙しい」「一人暮らしだとお湯を沸かすのがもったいない」「暑いから」など。
しかし、筋肉が硬くなる原因のひとつに、筋繊維の間に疲労物質が挟まって収縮した状態から解放できなくなっているという理由があり、一日の終わりに血行を促進してあげて疲労物質を取り除いてあげることがとても重要です。
シャワーだけで済ませるのではなく、湯船にしっかり入るメリットをまとめてみましたので参考にしてみて下さい。
目次
1.湯船に入るメリット
1-1.汚れが落ちやすくなる
湯船に毎日浸かっていると、毛穴が開き毛穴に詰まっている皮脂汚れや老廃角質が柔らかくなるので汚れを落としやすくなります。
毎日の習慣になれば体温調整や発汗がスムーズに行われ、皮膚機能が十分に働くようになり新陳代謝が活発化します。
10分ほど浸かるだけで80%もの汚れをおとすことができるので、効果は十分です。
1-2.疲れが取れる
入浴は血流を促進し、体内の老廃物や疲労物質をスムーズに体外へ排出できるようになり、疲労の回復が進みます。
また、前述したように、血行の促進は筋肉の痛みや緊張を和らげ、肩こり、腰痛が緩和されます。
1-3.基礎代謝が上がる
温かいお風呂に10分程度浸かることは、ランニング20分に相当するカロリーの消費が行われるという研究結果があります。
いわゆる基礎代謝が進んだ状態という事です。
基礎代謝の量は年齢と共に減少し、太りやすくなったり、発汗機能が落ち体温調整が下手になったり、細胞の代謝も遅れるので老化に拍車を掛けます。
血流促進によって発汗効果を高め、細胞が活発化し代謝を上げ、カロリーの消費を進めることが出来ます。
1-4.むくみが取れる
ご家庭のお風呂でも、身体にかかる水圧によってマッサージと同じ効果が得られます。
水圧は血流を促進し、むくみを解消するだけでなく、酸素や栄養を隅々まで運び健康と美容に効果を発揮します。
1-5.咳や鼻づまりの解消
温かいお風呂から立ち上った蒸気が、咳や鼻づまりに効果を発揮します。
鼻腔の炎症によって起こる鼻づまりはお風呂の蒸気によって顔や鼻の血管が動くようになり、つまった粘液をゆるくしてくれるのです。
1-6.肌がきれいになる
皮膚の外側にある表皮細胞は約30日周期で新しい細胞に生まれ変わります。
しかし、その下にある真皮層の血行が悪いと、このサイクルに支障をきたします。
サイクルをきちんと機能させ、老廃物をしっかり排出出来れば吹き出物や肌荒れなどのトラブルを防ぎ、肌の透明感をアップさせることが出来ます。
また、熱めのお湯につかると、たんぱく質が増えてコラーゲンの減少をとめてくれるので、美肌効果に大いに期待できます。
1-7.体臭を軽減する
体臭の原因は乳酸が体内で増加することで、汗の中にアンモニアが増えることで起こるのですが、お風呂に入ることによって血行が促進し、乳酸の排除が促されます。
身体の表面を洗っているだけでは体臭は防げないこともあり、仕事や家事で溜まった乳酸を夜しっかり排除してから就寝することで体臭を抑えることが出来ます。
1-8.心を健康にする
心地よい温度のお風呂に浸かると、βエンドルフィンなどのリラックス効果のあるホルモンが分泌され、心身ともに癒されます。
また、水の中は体重が1/9に軽くなるので、体重を支えている筋肉や関節の負担が軽減され、緊張がほぐれてリラックスできます。
これがお風呂で得られる幸福感の最大の理由だと言われています。
1-9.心臓病のリスクを下げる
習慣的な入浴は血圧を下げる効果があることが研究によってわかってきました。
血液循環が良くなると血圧が下がり、心臓麻痺や心筋梗塞のリスクを下げます。
1-10.寝つきが良くなる
質の高い睡眠は入浴が大きく関わっています。
入浴によって体温は上昇し、上がった体温が下がっていく過程でメラトニンというホルモンが生成され睡眠の導入になります。
睡眠の質は最初の90分決まると言われており、スムーズな睡眠の導入は最初の90分の睡眠の質を高めるので質の高い睡眠がとれるという事です。
2.湯船に入るデメリット
では反対にデメリットはあるんでしょうか。
正確には湯船に入るデメリットはなくて、頻回に入るデメリットになります。
湯船に頻繁に入ると、皮膚に自然に生育する微生物である常在菌のバランスが乱れてしまいます。
シャワーだけより湯船に浸かる方がより常在菌を洗い流してしまい、肌がバクテリアやウィルスに感染しやすくなり、乾燥肌の原因にもなります。
しかし、不潔にしておくこともまた良くありません。
一日一回の入浴ではそこまで常在菌のバランスが崩れないので、頻回なお風呂は控えましょう。
また雪国の高齢者に限っては、部屋が寒ければ寒いほど、ヒートショックという現象が起きやすくなります。
お風呂で温められた身体が一気に冷えることによって、心臓麻痺がおこってしまう事です。
3.まとめ
私たち日本人が毎日お風呂に入るようになってからまだ100年くらいしかたっていないそうです。
昔は家に湯船がなく、銭湯に行っていたため、2~3日に一度の入浴が普通でした。
暑い日があったり、時間がなかったり現代は忙しい日々を送っている方が多いと思いますが、お風呂に入るメリットは上記のようにたくさんあります。
お風呂にしっかり入るだけで今まで感じていた疲れが取れたり、肌の調子が良くなったりするかもしれません。