目次
1.1日3食の根拠
1日3食が体にいいと言われているがその真偽は、実は不明です。
1935(昭和10)年に国立栄養研究所の佐伯 矩(さいき ただす)医学博士が「日本男子が一日に必要とするエネルギーは2500~2700カロリー、3分割しバランスよく食すること」と提唱したのが1日3食が定着した要因と言われています。
しかし、現代の医師がおすすめしているのは「1日2食」。そのメリットはどこにあるのでしょうか?
2.1日3食は時代に合わない
先述の通り、「1日3食は健康にいい」ということの真偽は不明です。
そして、それとは逆の「食べない生活」が人を最も健康にすると医学論文も多々あります。
2020年、世界のトップ研究者から興味深い論文が次々と発表されました。
それは「1日16時間程度食べない時間を作る」ことが、最も人を健康にするというもの。
医師によると、「1日3食は不要」説の根拠は2つあります。
2-1.1日3食だと内臓が休む暇なく、疲労すること
食べものが消化されるまでの時間は案外長く、胃の中に滞在する時間だけでも平均2~3時間。
脂肪分の多いものだと4~5時間はかかるそうです。
さらに小腸で5~8時間かけて分解するなど、胃から小腸までで10時間程度かかります。
1日3度食事をすると、前の食事が胃や腸に残っている間に次の食べものが運ばれてきて、胃腸は休む暇がなくなってしまいます。
だから、年齢を重ねて胃腸の働きが悪くなると、胃腸も疲れやすくなる…という悪循環が起きるそうです。
2-2.情報が古く現代にマッチしていない
1935年に佐伯博士が提唱した「日本男子が一日に必要とするエネルギーは2500~2700カロリー」という説が現代人の生活にマッチしていない点です。
運動不足傾向が強く、消費カロリーが少ない現代人の生活を考慮すると、1日に必要なカロリーは、2000カロリー前後と考えられています。
3度の食事で2500カロリーもとる必要はないのです。
つまり、3食神話が始まった85年前と今では状況が異なるし、最新医学に基づく話ではないといえる上、3食食べるのは、「食べすぎ」で健康によくないということ。
それを裏付ける研究結果が「1日16時間食べない時間をつくることが人を最も健康にする」という医学論文だといえます。
3.まとめ
私たちの細胞はふだん、食べものから栄養を摂取し、必要なエネルギー(ATPという物質)を作っています。
ところが空腹の時間が長くなり、栄養が入ってこなくなると、体は生存するために「体内にあるもの」でエネルギーを作ろうとします。
そこで、古くなったり壊れたりした、細胞内のタンパク質を集めて分解し、それらをもとにエネルギーを作るのです。
その際、古くなった細胞内のミトコンドリアも分解され、エネルギーを供給するとともに、新たに生まれ変わります。
これがオートファジーです。
心身の不調や病気、がん、老化の原因となる古くなった細胞。これが食べないことで起きる「オートファジー」効果によって一掃され、細胞や内臓の機能が活性化し病気になりにくい体をつくるそう。
胃腸が疲れていると感じている人や、なんとなく体調が優れない人、健康的な生活スタイルを探している人も、参考にしてみてはいかがでしょうか?