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メンタル

メンタル不調に効く栄養

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心の不調は日々のストレスによって引き起こされるもの。

しかし最近は、食生活や栄養が心の不調と深くかかわっていることがわかっています。

目次

1.心の不調は生活習慣病の一つ

職場の人間関係や長時間労働、仕事と家庭の両立など現代はストレスにあふれ、心の不調を感じる人が増えています。

平成29年度の厚生労働省の調査でも、日本の五大疾病「糖尿病、がん、心臓病、脳卒中、精神疾患」の中で、もっとも患者数が多いのが精神疾患です。

これは、心の不調は年代を問わず、老若男女、誰にでも起こりうることが原因の一つと考えられます。

2000年頃から『精神栄養学』という新しい学問分野が誕生し、心の病気や精神疾患の発症と、栄養の不足・過剰・バランス異常との関係について研究が行われています。

現代は飽食の時代にもかかわらず、栄養バランスが偏っている人が多いうえ、朝食を摂らず、食生活も乱れがちです。

加えて、運動も睡眠も不足している人が多い。

食事・運動・睡眠がしっかりとれていれば、ストレスを感じても跳ね返すことができますが、いずれかが不足してバランスがくずれるとストレスが積み重なり、心の不調につながっていくのです。

さらに、現在はコロナ禍によってストレスが増加、自粛生活で人と話す機会が減り、行動も制限されてストレスを解消する手段も減少、勤務先の業績不振など将来への不安を抱えている人も多くなっています。

また、テレワークで運動不足が加速し、生活サイクルや食生活も乱れやすく、心の不調に陥りやすい状況になっています。

2.ビタミン、ミネラル、アミノ酸、食物繊維などが心の不調に影響する

心の不調を防ぐには、まずは食事を見直すことがポイントです。

ファストフード、スナック菓子、をよく食べたり、野菜や果物をほとんど食べない、1日1食、もしくは2食しか食べない、は危険です。

その結果、食物繊維のほか、葉酸などのビタミン、鉄などのミネラルといった栄養素が不足しやすいのです。

例えば、鉄はミネラルの中でもっとも不足しやすく、閉経前の生理出血のある女性の2人に1人が、体内に貯蔵されている鉄が不足しています。

こうした栄養素は、心の健康とも大きくかかわっているので、心の不調を予防・改善するには、心をポジティブにしてくれる栄養素であるタンパク質(アミノ酸)、食物繊維、ビタミンC、鉄分、葉酸を摂るようにしましょう。

内臓や筋肉など、人の体をつくるタンパク質はアミノ酸で構成され、アミノ酸は学習や記憶につながるドーパミンや、元気を出すノルアドレナリン、気分を安定させるセロトニンといった、行動や気分に指令を与える神経伝達物質をつくるもととなります。

そのためアミノ酸が不足すると、心の不調に陥りやすくなります。

さらに、アミノ酸から神経伝達物質がつくられる過程では、ビタミンCや鉄、葉酸が不可欠です。

また、ビタミンCは鉄の吸収を助け、ストレスホルモンであるコルチゾールの過剰な上昇の抑制にもかかわっています。

実際に、われわれが行った日本人約1万2000人の調査では、うつ病患者は、非うつ病患者と比べると鉄欠乏貧血の割合が高く、うつ病でない人たちの中でも、鉄欠乏症貧血の人はストレス症状が高いことが明らかになりました。

そして、食物繊維は腸内細菌のエサになるため、食物繊維が不足するなどして腸内の善玉菌が減ると、腸壁に隙間が生じやすくなり有害なものなどが体内に侵入し、血液を通じて脳に障害を起こします。

逆に、腸内の善玉菌が多いと消化管と脳をつなぐ迷走神経さ刺激され、ストレス反応をやわらげることがわかっています。

3.ポジティブ・フードで心の不調を予防・改善

心の不調・改善に役立つ「ポジティブ・フード」を摂るには、「地中海式食事」や「健康的日本食」がおすすめです。

「地中海式食事」とは、その名のとおり地中海沿岸の伝統的な食事で、「野菜、果物、種実類、豆類、魚介類、オリーブ油、穀類」を多く摂り、適量の赤ワインを飲む食事法。

一方、「健康的日本食」には「野菜や果物、大豆製品、きのこ類、緑茶」が含まれています。

とはいえ、毎日の食事で野菜や果物をしっかり食べるのは難しい。

特に、果物を食べる人は年々少なくなっており、2002年から2019年の17年間で、日本人の年間の世帯あたり果物消費量は約3割も減少しています。

なかでも20~40代の果物の消費量が低いことがわかっています。

身近な果物の中で、栄養素充足率がもっとも高いのがキウイフルーツです。

キウイフルーツはグリーン、ゴールドともに鉄を吸収するビタミンC、葉酸、たんぱく質(アミノ酸)を分解する「アクチニジン」、食物繊維などが含まれていて、ゴールドキウイは1個で厚生労働省が推奨する1日のビタミンC摂取量を摂ることができます。

さらに、海外の研究では、若い成人男性にキウイフルーツを1日2個、6週間与えたところ、気分障害や疲労が減り、活力が増加したという研究結果もあります。

つまり、キウイフルーツはもっとも効率的に栄養を摂取できる「ポジティブ・フード」の一つといえます。

また、キウイフルーツは半分に切るだけで、スプーンですくって食べられるので、簡単に食事に取り入れることができる手軽さも魅力的。

4.まとめ

まずは朝食をきちんと摂ること。

そして、日中は少しでも運動の時間をつくり、できる限り早寝早起きを意識することで体内時計が整っていきます。

ポジティブ・フードと規則正しい生活で日々のストレスを跳ね飛ばし、心を健やかに保つ意識が重要です。

心の不調を予防・改善するには、キウイフルーツをはじめ、ポジティブ・フードを毎日の食事に取り入れつつ、生活習慣を見直すことが大切です。

-メンタル

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