皆さんは、耳の横に腕をつけてバンザイをしたり、後ろで両手を組むことが出来ますか?
整骨院に来られる肩こり患者さんのほとんどは、肩甲骨が原因になっていることがほとんどです。
パソコンやスマホによって腕が身体より前にあり、首が下を向いている姿勢が長いと肩甲骨はガチガチに固まっていき、いずれ肩こりや肩を動かしたときの痛みにつながります。
仕事や休日に長時間そのような姿勢が続いてしまう時は、途中途中に休憩をはさみながら肩甲骨のストレッチをしてあげると予後が全然違います。
そこで、実際に整骨院に来られる患者さんにも言っている、肩甲骨を柔らかくするためのケアの仕方を紹介していきたいと思います。
目次
1.肩甲骨の位置と役割
肩甲骨とは、背中の上についている平べったい逆三角形の骨の事を言います。
両肩に対照的についており、腕を前後に伸ばす、上に挙げる、肩をすくめるなど、腕の動きをサポートする役割があります。
肩甲骨と胴体は鎖骨でしかつながっておらず、骨だけで見るとすごく不安定な状態ですが、周辺に多くの筋肉があり支えているため広い範囲の可動域を実現しているんです。
逆にその広い可動域を実現しているせいで、周辺の筋肉が硬くなってしまい肩こりを引き起こしてしまいます。
2.肩甲骨が硬くなってしまう原因
前述したように、パソコン作業やスマホの長時間の使用が多い人は肩甲骨の動きが悪くなります。
なぜなら、同じ姿勢が長時間続くと筋肉に疲労物質が溜まり、血流が滞ってしまい、血流が滞ると老廃物の処理が出来なくなり、肩甲骨周りの筋肉が凝り固まってしまうんです。
特に普段運動しない人は筋肉が衰えやすく、肩甲骨の動きが悪くなりやすいです。
そのため、肩甲骨はがしをして血流を改善し、筋肉のこりをほぐしてあげることが必要です。
3.肩甲骨はがしとは
肩甲骨はがしとは、実際に肩甲骨を背中からはがすわけではなく、肩甲挙筋や菱形筋などの肩甲骨に関わる筋肉のこりをほぐし元の位置に肩甲骨を戻すというイメージです。
簡単に言ってしまえば、肩甲骨周りの筋肉をほぐすためのストレッチ全般を指します。
これから紹介していきますが、一番大事なのは、こまめにやるという事です。
4.肩甲骨はがし
肩甲骨はがしは、やり方によっては痛みを感じることもあるので、まずは無理なく動かせる範囲で肩甲骨はがしを行っていきましょう。
まずはどこでも出来るやり方を2つ紹介していきます。
4-1.バンザイ運動
バンザイ運動はラジオ体操の最初と最後で深呼吸をするときに行う動きです。
肩甲骨を意識しながら動かすとより肩甲骨周辺の筋肉がよりほぐれます。
背筋を伸ばした状態から精一杯腕を天井に向かって伸ばします。
その時に息を吸って、ゆっくり吐きながら下へおろしてきます。
4-2.肩回し
これは肩を回すだけのスタンダードなストレッチです。
右手は右肩を、左手は左肩をつかみます。
手を離さないようにして出来るだけ大きく肩を回します。
10回ほどやったら手を放し、さらに大きく腕を回します。
後ろ回転、前回転のどちらもするようにしましょう。
5.寝る前のケア
仕事中に肩甲骨はがしが出来ない人は就寝前のベッドで出来ます。
仰向けの状態で両ひざを抱えてゆっくり左右にゴロンゴロンと動くだけです。
背中全体のストレッチにもなるし、簡単に出来ます。
あまり体温を上げると寝つきが悪くなるので、三往復くらいで気持ちよく終わりましょう。
6.人にやってもらう肩甲骨はがし
肩甲骨と背中の間には本来指が全部入るくらいの隙間があります。
硬くなって入らなくなっている人は要注意です。
かなり凝り固まっているでしょう。
誰かにやってもらう時は、肩を少し後ろに下げた状態(肩甲骨を背骨側に軽く寄せた状態)、パートナーに肩甲骨と背中の間に手を入れてもらい、肩甲骨を剥がすように引っ張ったり動かしたりします。
肩を後ろに下げる時にあまり力が入っていると指が入らなくなってしまうのでリラックスしてやりましょう。
また、硬くなっている人は無理に指を入れようとせず、肩甲骨を動かしてあげることから始めるようにしましょう。
痛みを感じると周辺の筋肉は硬くなって逆効果です。
誰かにやってもらう時も気持ちよく筋肉を伸ばせるように痛みの具合を伝えながら行うようにしましょう。
7.まとめ
首から肩周辺の痛みやコリの原因は、肩甲骨が硬くなっているところからきているものがほとんどです。
それは日常的に肩甲骨に負担が掛かり、血流が悪くなっているのが原因です。
仕事でパソコンを使う方はどうしても避けられないと思うので、こまめにストレッチをして血流を改善し、肩甲骨を柔らかくしましょう。
肩甲骨が柔らかくなると、脳にいく血流量も増え、脳内老廃物の除去がすすみ、すっきりする効果もあります。
仕事の効率も上がるかもしれません。