病気

どこよりもわかりやすい糖尿病について

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世の中にあふれているあらゆる病気について、いまやインターネットで何でも調べれるようになりました。

しかし、そもそもの医療に関する基礎知識がないと書いてある内容が難しすぎて理解できない、ということも多いんではないでしょうか。

その理由に、医療に詳しいということは書いてる人の頭がいいという理由、そしてあまりに簡単に書いてしまうと本質を伝えられず、間違って伝わってしまうことを防ぐためです。

人間の身体は複雑なのでそもそも簡単には説明できません。

しかし、一語一句専門用語やメカニズムを説明していてもきりがありません。

なので、難しい表現になってしまっているものが多いんです。

それは仕方ないんですが、それでも病気は自分や家族の身体に関わることなので、やはりちゃんと理解したいと思います。

ここでは出来るだけ誤解のないように、かつ、わかりやすく解説していきたいと思います。

 

目次

今回は糖尿病の話

糖尿病とは、尿の中に糖が混ざっている状態のことです。

通常あるはずのない量の糖が尿に混ざっているので病気という事になります。

 

1.原因

では、なぜ尿に糖が混ざってしまうのでしょうか。

それは、血液中に糖が余っているからです。

実はこちらが問題なのです。

糖とは、お米やパンに代表される炭水化物のことです。

食事によって摂取された糖は、腸で吸収され、血液にのって全身に運ばれます。

身体のエネルギー源である糖は血液中から細胞に吸収されていくんですが、その時にインシュリンというホルモンが必要になります。

何らかの原因によってインシュリンが出なくなった場合、糖を吸収することが出来ず血中に糖が残ってしまいます。

その原因とは

 

1-1 Ⅰ型糖尿病

これは遺伝によるものです。

遺伝によって生まれつきインシュリンの分泌が悪い、もしくは出ないという病気です。

 

1-2 Ⅱ型糖尿病

これはいわゆる生活習慣病です。

現代は肥満と言われる方が男性で3割、女性で2割います。

人間には1日に必要なカロリーがあり、それを超えるカロリーの摂取は脂肪として身体に蓄えます。

しかし、現代は脂肪を蓄える一方で消費する機会がありません。

何日も食事にありつけないという状況が無いからです。

脂肪としての十分な蓄えがあり、細胞もエネルギーが足りている場合、さらに糖が来ても吸収するための入り口をふさぐようになります。

これ以上糖を吸収することを拒むのです。

そうすれば血中に糖が余るようになります。

さらに状態は悪化していき、インシュリンの分泌が止まってしまうんです。

Ⅱ型糖尿病の方はインシュリンの分泌に問題がない以上、食事のたびに分泌はされます。

しかし、糖の吸収をするはずの細胞が入り口がふさがっているので、インシュリンは次第に余るようになります。

そうなれば、身体は必要のないインシュリンの分泌をやめ、インシュリンの分泌が少なくなります。

繰り返されるとインシュリンの分泌は極端に少なくなり、インシュリンの分泌が悪い糖尿病患者と同じ状態になります。

これがⅡ型糖尿病です。

 

2.症状

では、血中に糖が余っている状態がなぜ身体に悪いのでしょうか。

 

2-1 血管がつまる

普通の水に比べ、砂糖水はドロドロとしています。

ドロドロの血液は細い血管をスムーズに通り抜けることが出来ず、次第に血流が滞っていきます。

傷口をふさいでいるのが血液であるように、動きのない血液は固まるように出来ています。

細い血管で滞った血液は動きがなくなり次第に固まっていき、固まった血液にさらにドロドロの血液がくっつくことによって、雪だるま式に大きくなっていきます。

そのうち、血管を塞ぐくらい大きくなり血栓というものが出来ます。

この血栓によってつまった症状を梗塞と言い、脳で詰まれば脳梗塞、心臓でつまれば心筋梗塞と言います。

身体の中でも目は細い血管が多く集まっていて、そこでつまれば最悪の場合、失明になります。

 

2-2 腎臓の機能が落ちる

腎臓とは、血液から老廃物をろ過することによって尿に流す機能を持っています。

しかし、ドロドロの血液では腎臓に大きな負担が掛かり、ろ過する網目がつまっていきます。

網目がつまれば老廃物を外に出せなくなり、吐き気、呼吸困難、高血圧が起きます。

そのまま腎不全に陥ると、最終的には人工透析という手段で血液をろ過していくことになります。

 

2-3 感染症のリスクが上がる

血液中に糖が多く含まれると免疫機能が悪くなります。

体内に侵入してきた菌やウィルスに対して、敵である目印をつけなくてはいけないんですが、糖によって動きの悪くなった免疫は、その目印をつけるのが遅くなります。

その結果、菌やウィルスをやっつける好中球という免疫細胞が、目印の無い菌やウィルスを見過ごしてしまい感染します。

また、ドロドロの血液によって血流が悪くなっているので、好中球が菌やウィルスに到達するのも遅れてしまい、糖尿病患者は感染しやすくなります。

これは感染後の重症化にも影響します。

免疫機能の低下は菌やウィルスの増殖を止めることが出来ず、感染症が重症化していきます。

以上の事からもわかるように、糖尿病はその後の合併症の危険度が高いです。

遺伝はともかく、生活習慣は見直すようにしましょう。

 

3.治療法

 

3-1 医療機関での治療

インシュリンというホルモンは膵臓という臓器から出ています。

膵臓の機能不全によってインシュリンが出なくなったり足りなくなったりします。

なので、糖尿病患者はインシュリンを注射で打ったり、薬でコントロールします。

そうすれば次第に膵臓にかかる負担は減り、機能が改善していく事があります。

 

3-2 セルフケア(予防も含む)

大事なことは血糖値を急激に上げないことです。

つまり、食生活を見直す必要があります。

お米やパン、麺などの炭水化物を空腹時に大量に摂ると血糖値が急激に上がります。

食事は野菜から食べ、次にお肉の順番が理想です。

糖は身体に必要なエネルギーですので、いわゆる糖質制限のようなことは身体に良くありません。

食事の最後に糖を摂取するようにすれば血糖値の急激な上昇を抑えることが出来ます。

また、運動も大事です。

運動によってエネルギーを消費してあげると、血液中の糖の吸収がすすみます。

その際食事の量が増えないように気をつけましょう。

 

4.血糖値を下げる食材

 

4-1 玉ねぎ

玉ねぎに含まれるイソアリアインという成分には、血糖値をコントロールするインスリンの働きを助ける作用があります。

ただし玉ねぎにも糖分が含まれているため、食べ過ぎは禁物、目安は1日に4分の1個~半分程度です。

その効果は生でも加熱しても効果は変わりませんが、栄養分が溶け出すのを防ぐため、水にさらさないほうが良いでしょう。

 

4-2 マイタケ

マイタケに含まれる食物繊維には、腸内で糖の吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑える働きがあります。

加熱しても食物繊維が壊れないので、加熱調理に向いています。

 

4-3 アボカド

アボカドは「森のバター」と呼ばれるほど脂肪分が多いフルーツですが、その脂肪分のほとんどは不飽和脂肪酸です。

不飽和脂肪酸は、糖の血管への流れを遅くする働きがあるため、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあるといわれています。

またアボカドには、食物繊維も豊富。特に水溶性食物繊維は、食事からの糖の吸収スピードを遅くする働きが期待できます。

 

4-4 EPA

約5万人以上の日本人を対象にした調査で、男性は魚介類摂取が多いほど糖尿病発症のリスクが低下し、摂取量が最も多い群は最も少ない群と比べ、糖尿病のリスクが約3割低下することが明らかになりました。

糖尿病リスクの低下と関連が深い魚を調べたところ、アジ、イワシ、サンマ、サバなどの青魚であり、特に脂の豊富な魚で糖尿病のリスクが低下することもわかりました。

これは、青魚に含まれるオメガ3系脂肪酸やビタミンDが、インスリン分泌を改善する働きがあるためと考えられています。

 

5.血糖値を下げる飲み物

 

5-1 番茶

お茶は一般的に、5月頃の新芽を摘んだものが上等な「新茶」とされ、9月までに摘まれたお茶が「二番茶」「三番茶」と呼ばれます。

番茶は、葉が固く味も薄い一方で、さっぱりとして苦味が少なく、刺激が少ないため、小さな子どもや体調を崩している時にも飲みやすいお茶です。

この番茶には、ポリサッカライドという食物繊維が豊富で、ポリサッカライドは血糖中でインスリンと似たような働きをしてくれるため、血糖値の上昇を抑える働きがあります。

 ポリサッカライドは熱に弱い成分で、水に茶葉を入れて一晩放置した「水出し」で淹れるのがポイントです。

 

5-2 白ワイン

夕食に白ワインを一緒に飲むと翌朝の血糖値が低くなることが研究によってわかっています。

つまり、白ワインには血糖値を下げる作用があり、アルコールの作用で血流も促されます。

しかし、多量の摂取は控えるようにしましょう。

 

6.まとめ

糖尿病のほとんどは生活習慣病です。

普段の食生活によって糖尿病になり、合併症によって重症化していきます。

しかし、普段の食生活によって改善できるのも事実です。

普段の食事と運動習慣を見直しましょう。

とはいっても、まずは定期的な検診を受けることが大事です。

自分は大丈夫と思っていても身体の中では刻一刻と病気が進んでいるかもしれません。

検診を受けたうえで、お医者さんの指示に従ってください。

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